深刻なネットいじめの現実
独自に調査をおこなうと、ネットのいじめを苦に自ら命を経っている人が世界にはたくさんいることを知りました。軽い悪口から、心に深く残る中傷まで、SNSでのいじめは様々な形で行なわれていたのです。
SNSのメッセージで「この世界からお前が消えてしまえばいいのに」と言われた少女が、寝室のクローゼットで首をつった状態で母親に発見されたという痛々しい事件もありました。
同性愛者である少年がボーイフレンドと親密にしている現場をルームメイトに盗撮され、その映像をネットに公開されたことを苦に、自らの命を経った事件もありました。
トリーシャさんは、これらの事件の加害者が心無い行動を取る前に説得することが出来ていたら、一人でも多くの命を救えたのではないか…と考えました。
全米の半分以上の若者がネットいじめを経験
アメリカ国内では若者の52%が、ネット上でいじめられた経験を持っています。さらに、その中の38%もの人たちが、自殺願望を抱いていおり、SNS上で行なわれる暴力は、社会問題としての深刻さを極めています。
トリーシャさんの調べによると、
ネット上で侮辱的な発言をする12歳〜18歳の若年層は、19歳以上のグループに比べ4割も侮辱的な発言に意欲的なのだそうです。
若者の脳は、ブレーキのない車のようなもの
ある文献には、「未成年の脳は、考える前に行動に移してしまう傾向がある。判断能力を担う前頭部は25歳頃にようやく完成する」と記されています。
つまり、若ければ若いほど脳は発達しておらず、不道徳な行ないをとってしまうということなのです。
SNS上でのいじめについては、ソーシャル側の対策が取られ始めています。
それはブロック機能であったり、通報機能であったりするのですが、結局は被害を受けてからではないと対策出来ない使用となっているのです。
トリーシャさんは、このままのシステムだと傷つく人が後を絶たないと、新たなシステムを考えました。
「若者の脳はブレーキがない車」このワードにヒントを得たトリーシャさんは、とある実験を開始しました。
それは、ユーザーが誰かを侮辱するような書き込みをしようとした時に「本当に投稿しますか?」というメッセージを表示する「Rethink」という仕組みを取り入れる事でした。
1500件を対象に行なわれたこの実験では、なんと93%の若者が投稿を取りやめました、
「待って、本当にそんな侮辱的なコメントをするの?」という一言で、ネットいじめとなる発言を、71.1%から4.7%にまでに減少させることに成功したのです。
「ネットいじめ」は根絶できる
トリーシャさんは新たに開発した「Rethink」を引っさげ、Googleサイエンス展覧会に出席。見事グローバルファイナリストになり、アメリカ暫定特許権を取得しました。
現在はより多くの人に活用されるのを目指すべく、クローム用の拡張ブラウザと携帯端末用のアドオンの作成をしているとのこと。
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2013年の秋、学校から帰宅したトリーシャさんは信じられないニュースを目にします。それは同じくフロリダに住む13歳の女の子が、SNS上で受けたいじめを苦に飛び降り自殺をしたというものでした。
この衝撃的なニュースをきっかけにトリーシャさんは、SNS上のいじめについて考えるようになります。